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罠を仕掛ける

…そんな気持ちで、またやりますよ妄想リレー小説。
そこのあなた、常連さんも一見さんも、けもの道の罠に全力で飛び込んでみないか。

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「今年ももう7月か、半分以上過ぎたな」
小金太一郎は、カレンダーを見ながら独りつぶやいた。

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次どうぞ
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つづこ

俺は小金太一郎。29才。
本名は金太一郎(かねふと・いちろう)
何故か親父と同じ名前だ。
小はよくあるあれだ。
外国でいうジュニアやリトル、二世ってやつだ。
日本でそれが許されるのかどうかは知らないが、現に俺がそうなんだから大丈夫なんだろう。
村人の信頼は厚かったが、汚職で仕事を追われた村長ってのが俺の親父で、そのジュニアな俺は、きっとリベンジの意味でそう名づけられ、今こう呼ばれているに違いない。
そう。俺が生まれた時、親父は牢獄にいた。
その親父は、結局そのまま腸チフスで牢獄で死んだ。

何て前置きはもういいか。
あれから29年。
もちろん「あれ」は同姓同名の親父が死んだ日で、暑い7月で、今から俺は告知された村長選に立候補する―。


(ちゃんと続けるんだろうな)

続きだわさ

例年になく早い梅雨明けが言い渡され、ニュースでは判で押したように「猛暑」の連呼。
あれ意味あるのかね、だって言われるまでもなく「暑い」んだからいまさら。

なんてヒネくれる立場に自分はない。なぜなら俺は、この村をしょって立つ「若手のホープ」なのだから。
…とは言っても、自分が決めたことでもなく、東京に出てはみたがお決まりの都落ちコース、
デカいだけが取り柄のおんぼろ家(しかもぼっとんトイレ)でブラブラしているところを、
村のじいさんに見つかったってだけ。

(つづく)

つづき

膿田陸男はこの村随一の「膿田メッキ」の応接室にいた。
隣に座る父、海太郎、向かいに座るのは国会議員、自民党の元官房長官、王木伊太郎だ。

今回の選挙についての話合いの場ではあるが、 全ては広告代理店の黒田に委ねられ、候補者である私は言われるままに、決められた人間に会い、決められた場所で決められた台詞の演説をこなすだけである。

昨日の演説時に
「原発賛成?反対?」
と書いたプラカードを持った女性が我々のSP達に連れて行かれたシーンをふと思い出した。
まあ、おれには関係無いし、詮索出来る様子は無い。全ては黒田や王木が決めるのだろう。

そして「うだるような暑さ」と言うセリフはマスコミ関係以外で聞かない変な言葉だなあ。とも考えていた。

つづき

「一郎、湯上地区のヤツらが全員膿 田の倅に投票するらしいぞ、裏切り やがった」 長老のじいさんが興奮している。珍 しく怯えた様子もうかがえる。 湯上地区は投票権の六割を持ってい る。

「膿田メッキの株式になるタイミン グだ、その前に未公開で配りまくっ てる。もし膿田が村長になってしま ったらとんでもないことになる!ど うする、一郎」

答えが出ないまま夜遅く長老は帰っ た。

困った顔で 「お前の親父には悪い事をしてしま った。あれも膿田が…」つぶやいた 言葉が気にかかる。

明くる朝、長老は用水路で死体でみつかった。

つづく

No title

村は蜂の巣を突いたような大騒ぎに…

なるはすだったのだが、長老の死因は持病によるもので、
天命を全うした自然死という事になっていた。
もちろん信じる者はいないが、信じているフリをする事の方が大切だ。
狭い村社会でしかありえない常識が、ここでの正義なのだ。


(えーいこうなったら続けてしまえ)

つづき

形だけの葬式があっさり終わり、日めくりを見ればもう7月20日。
いよいよ選挙が近い。
しかし一郎は、出馬する理由がまったく見いだせずにいた。

(どうせじいさんも死んじまったしな)

村の中で自分に向けられる声援であれ罵倒であれ、
それはべたべたと纏わりつく、真夏の熱風のようにしか感じられなかった。

(暑い。とにかく暑い…)

ふと気が付くと、一郎は膿田の家の前にたたずんでいた。

(相変わらず成金まるだしの、下品で悪趣味な家だな)

夏の田舎家のこと、門も玄関も開け放たれていた。
一郎はぐんぐんと中に入っていき、夏座敷仕様の広間に入った。
すると家主である膿田メッキ社長、膿田海太郎が、
ちぐはぐなヨーロッパ調のソファに腰かけていた。
一郎を見て一瞬驚いた風をしたが、すぐに脂ぎった顔をにたりと緩ませた。

「これはこれは…。言っていただければ、おもてなしの御準備でもね、
させて頂きましたがね、あいにく家の者が出払ってますんでね。
何もありませんがね、まあほらお座りになったらいかがですかな」

(家に誰もいない、)

その瞬間、一郎はポケットに忍ばせたナイフを取り出し、
刃先を膿田の喉元に向けスラリと一文字に走らせた。
上から横から、まるで大量の桜吹雪のように飛び散る血を眺めながら、
一郎は子ども時分に父や母、そして長老と花見をした事を思い出していた。
広間に面した庭では、セミが喧しく鳴いていた。

(いいかげん終にしとこうかね)






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